なぜ私はお薬を減らしたい、やめたいと思い続けたのか?

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最近のコメントで「貴女は統合失調症じゃなかったんじゃないか?」という問いを頂きました。

貴女は統合失調症じゃなかったんじゃないか?
と言う疑問を持ちました。
ご自身でも 疑問を感じて 何度も医者に尋ねられていますよね。
医者は頼りないものです。
私の娘も 見事に二人の医者に誤診されていました。

(読者さまのコメントより抜粋して引用)

(コメントを頂いた記事:統合失調症という病名と戦ったこと(2)~病名をめぐって泣いたとき~)

そのコメントにはコメントとしてご返信させて頂いていますが、

それとは別に、読者の皆さまに説明した方がいいと感じたことを書きます。

なぜ、私は「減薬をしたい」と強く思い続けたのかということです。

いつかお薬を完全にやめることを目標に、それはプライドのために努力してきたことを何度も書いてきましたが、それだけではなく

副作用が嫌で嫌でたまらなかったことは事実です。

私が強制入院から退院できてすぐの頃、「よだれ」がずっと止まりませんでした。

垂れ流すように出てくるよだれ。口が閉まりきらないだけでなく、よだれの制御機能がなくなった感じでした。

ずっとよだれが出てくるので、よだれかけのように布をつけて過ごしました。外に出る時も、ずっとです。

私はダイエットしたいという強い気持ちがあったので、部屋に引きこもりはせず、近所の公園を走ったりしていました。(なんだか幼い子どものようですが。)

(退院直後の生活(1)~ダイエット~)

私の実家は大型マンションなので、ドアを一歩出ればたくさんの人に会います。

私の母が社交的なタイプということもあって、知り合いがたくさんいます。

明らかに落ちぶれた雰囲気を醸し出して、知り合いに会ってしまうのは正直辛いことでした。

まだ高校を卒業したばかりで、本来なら若さを自慢するかのようにお洒落できる歳でしたが、そんな雰囲気とはかけ離れていました。

余談ですがその頃に、「恥」という感覚は失った気がします。

「恥ずかしがってみせる」ことはあっても、本当に恥ずかしいと思うことはあまりない気がします。

あそこまでに哀れみのまなざしを受ける経験をしてしまうと、他人にどう思われようと別にいいやという気持ちが生まれました。

他人の目を気にする素振りを見せることはあっても、本当は気にしていないという感じです。

話はそれましたが、よだれが止まらない頃は雰囲気は廃人のようでした。

時折、鬱屈した思いがあふれるとノートに鉛筆を叩きつけるようにして書きなぐり、

怒りをどうしても抑えることはできない日々でした。

ただ、どこかで自尊心のかけらのようなものは残っていたような気がします。

その「かけら」を育ててくれていたのは、両親だったのかもしれないと思うこともあります。

よだれが止まらない状態は、明らかに抗精神病薬の副作用でした。

自分でも把握しきれないほどの大量のお薬を、「一回分ごとに小袋に小分けされて」処方されていた頃のことです。

副作用が嫌で嫌で、どうしても逃れたかった気持ちは強く、ずっと持ち続けていたものです。

結果的に、誤診だった可能性はあります。

統合失調症は再発することが多いですし、気力を失っていく類の陰性症状も強く出るとされています。私は幻覚・妄想を伴う陽性症状は一度だけで、以後再発していませんし、陰性症状も弱いものでした。

ただ、誤診だったとしても、誤診かどうかが分からないまま貴重な人生を失っていくことは大きな問題だと思っています。

医師は、「再発してはいけないから」と、薬を飲み続けるようにと私に繰り返し諭してきました。

それはある意味責任感のある医師だったとも思います。薬を途中でやめていたら「統合失調症のお薬を途中でいきなりやめてしまうことによって」強い幻覚・妄想が再発していたかもしれません。

(いきなりお薬をやめて陽性症状が出た話は、「統合失調症を発病するまで(2)」)

ただ、統合失調症という病気は昔は精神分裂病という病名でしたし、時折犯罪を犯した人の責任能力に関わる意味で報道されることもあり、

「あなたは統合失調症です。(もしかしたらそうじゃないかもしれないけど、)まあ病名なんて何でもいいでしょう?症状が出ないことが大事なんだから」

という医師のスタンスで済ませられるようなものではないと思います。

結婚相談所に入会することなど絶対にできませんし、隠して婚活して結婚に至ると、隠していたことを理由に離婚されても文句は言えないような病気です。

かといって、知り合ってすぐに病名を告白したら、ほぼ100%拒否されると思います。

私は結果的に、私を理解して愛してくれる夫と出会い結婚できましたが、綱渡りのような、細い道を幸運にも見つけたようなものです。

このブログは、統合失調症を完治できた秘訣を語るノウハウブログではありません。完治なのか誤診なのかも結局分かっていないのです。

ノウハウに近い雰囲気の記事もありますが、どちらかというと私が経験してきた矛盾、つらい闘病生活をなかったことにしたくない。という思いが強いです。

こういった経験を発信することで、何か気持ちが楽になれる人がいるかもしれないとも思っています。

実際、統合失調症の誤診の可能性に苦しむ読者さまからコメントを頂いたこともあり、

(コメントのついた記事:妊娠してから(10)~ついに、精神科通院も卒業したとき~)

手応えも感じます。

性別を越えて共感する事が多く、驚きました。
私は、統合失調症に関する疑問を持ち続け、誤診の可能性を考えセカンドオピニオン等でいくつか精神科を受診しましたが、あしらわれて悔しい思いをしました。
紹介状にとどまらず話を聞いてくださる医師に会われた事は、正直に言ってうらやましくなってしまいました。

(読者さまのコメントより抜粋して引用)

最近は離れて暮らす私の父に認知症の初期症状が出て、気持ちとして慌ただしい日々になっています。

更新が遅いですが、止まってしまったわけではないので、時々のぞいて下さると嬉しいです。

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