統合失調症を発病するまで(2)

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私はまた高校に通い始められましたが、メンタルクリニックへの通院と服薬は続けていました。

通っていた高校はエスカレーター式のようなところで、付属している大学にそのまま進学する生徒がほとんどでした。

でも、私はそこの大学に進みたくありませんでした。

そんなにクラスメートに嫌われていないということを、もらった年賀状で知り復学したものの、高校の雰囲気はやはり嫌いでした。

頑張る雰囲気は一切なくて、頑張るのはカッコ悪いというムード。

そういう雰囲気が圧倒的なため、先生たちもそういう生徒たちを

「心が優しい」

「思いやりがある」

「個性的」

などと

持ち上げて褒める雰囲気。

 

何だか、その堕落した雰囲気にどうしても耐えられない。

休憩室にいる高校生たちが顔を突っ伏して寝ている光景はおかしい。

見ていてすごく悲しい。

 

私も夢や希望に燃えていた訳ではありません。

でも、何か将来のために努力することができるんじゃないか?

何も将来のために努力しないことがそんなに偉いのか?

 

大学は、他のところに行きたいと思うようになっていました。

 

私の通っていた高校は専門分野に特化したところで、

一般的な大学を受験するにはかなり絶望的な勉強レベルでした。

 

同じ専門で、別の大学に行きたいと思いました。

日曜日、学校の外で個人指導を受け始めました。

当時は土曜日まで学校があったので、日曜日に個人指導を受けると休日はゼロになりました。

 

ある日、いつものようにメンタルクリニックを受診して

夜に眠ることができることや、学校に休まず通っていることを話しました。

「うん、調子良くなってるね。じゃあ、同じお薬出しときますから」

と先生は言いました。

 

(え?

なんで?

調子悪いから薬飲むんじゃないの?

調子良くなってるのにどうして薬飲まなきゃいけないの?)

 

納得がいきませんでした。

診察をさっさと切り上げられて、質問する勇気は持てませんでした。

私は次回の受診予約をとりませんでした。

そのまま、そのメンタルクリニックは二度と受診しませんでした。

 

後から分かったのですが、その頃に服用していたお薬には

「リスパダール」という

統合失調症のお薬が含まれていました。

 

統合失調症のお薬は、急に飲むのをやめると危険。

そういう状況であることを、当時の私は全く理解していませんでした。

 

自分が統合失調症とは思っていませんでしたし、

先生に言われてもいません。

薬の内容も説明されていませんでしたし、

調子が良くなっても薬を飲み続けるなんて、説明されたこともありません。

 

処方されていたお薬がなくなると、私は服薬をやめました。

 

だいいち、学校生活や大学受験の準備で忙しく、メンタルクリニックになんか行きたくありませんでした。

「調子がいいなら、いいじゃない」

と思っていました。

 

季節は秋になり、高校生活最後の文化祭が近づいてきました。

クラスの出し物の準備は異常なほどに本格的でした。

生徒の大多数が受験しないこともあり、クラス担任の先生の趣味が強く反映され、完璧な出来を追求した見せ物でした。

ほぼ強制的に参加させられ、

文化祭の準備と専門の練習に忙殺され、平日も休日も私は4~5時間しか寝られなくなりました。

 

その状況で日曜日の個人指導を受けるのは疲れて仕方なかったですが、この高校の付属している大学に行かず外の大学を受験するためにはやめられないと思い、毎週通い続けました。

 

安いコーヒーをがぶ飲みし、ブラックガムを常に持ち歩き、ほぼずっとかんでいました。

カフェインを補給しないと、まったくもたない状態でした。

 

だんだん、私は「笑うこと」が止まらなくなってきていました。

笑いだしたら止まらない。

高らかに笑って止まらない。

一見楽しそう、でもハイテンションすぎる感じ。

きっと、脳みそにドーパミンが過剰に出ていたと思います。

 

笑って、笑って、笑って、

そして落ちました。

 

また、夜に寝られなくなってきました。