私が親(特に母親)に対して、自分が抱えてきた思いを語ると決めたこと。
これには、大きな理由がありました。
毒になる親 一生苦しむ子供 (講談社+α文庫)でも繰り返し書かれている内容ですが、
「親に対するネガティブな思いは、本人に直接返さないと、新しい家族(子どもや配偶者)に向けられてしまう」
からです。
「自分の親には十分に食事を与えてもらえなかったのに、どうして子どもには与えなくてはいけないのか」
「自分の親には、親の夢を代わりに叶えるように強制されたのに、子どもには自分の夢を託しちゃいけないのか」
「親には、好きなことを見つけるサポートのための体験なんか一切させてもらえなかったのに、子どもにはしてあげなきゃいけないのか」
こんな思いが、育児をしていると次々とわき起こってきたのです。
一般的にも「自分がやられたことを、他人にやり返したい」
(してはいけないのなら)「どうして駄目なのか」
という発想は多いと思います。
例えば、新人の頃は一心不乱に働いてきたので、上司になったら厳しく部下を指導する
という例は多くあります。
それが部下のためになると思って、ということもあるでしょうが
自分が苦しんできたのに、後輩や部下が楽をするのは嫌だ、違和感がある
といった理由も含まれているように思います。
そういった人間の自然な感情として、
「親には十分な愛情を与えてもらえなかったのに、子どもに対して無償の愛を与える(ように努力する)のは不公平だ」
という思いが沸き起こるのは、ある意味当たり前のことと思います。
でも、決していいことではありません。
「虐待の連鎖」は基本的にはこのように起こると考えますし、
私が受けていた「精神的な過剰コントロール」は、肉体的な虐待ではないものの
精神的にじわじわとダメージを受ける行為で、
決して連鎖してはならないと思います。
「毒になる親 一生苦しむ子供」でも書かれていますが、
肉体的な虐待・性的虐待などに比べて
どうしても精神的な過剰コントロールというのは軽視されやすい。
けれど、決して軽視されてはいけない問題で、子どもの人生に悪影響を与える。
この考えに私は強く共感しました。
そして、私のチャレンジ精神として
「負の連鎖を断ち切りたい」という思いも強く感じました。
どうしても、子育てをする際に「自分がどのように育てられてきたか」ということは
一つの大きな参考ですし
基本的な育児スタンスを決める場合はとても多く見られます。
だからこそ、私は負の連鎖を断ち切ってみたい。
こんなところで、私の「他人にはなかなかできないことをやってみたい」
という、不遜なプライドが出てきたのです。
何としてでも負の連鎖を断ち切らないと、夫に幻滅されてしまうのでは???
という恐怖もありました。
夫は愛情豊かな両親に育てられ、好きで得意な才能を伸ばすことをサポートしてもらえ、
充分な食事を与えられて育った人です。
だから私の屈折した思いに共感することはできません。
理解力がある人なので、私の話を聞いて察してはくれるのですが。
「毒になる親 一生苦しむ子供」では、
自分の子どもや配偶者に屈折した感情をぶつけないためには
親本人に直接思いを語ることが重要。
と書かれています。
もし親が亡くなっていれば、お墓の前で語るべきとすら書かれています。
不幸にする親 人生を奪われる子供 (講談社+α文庫)では、親との対決以外にも、色々な解決策が提案されています。
それらも参考になります。
また、「毒になる親 一生苦しむ子供」で提唱されている“毒親との対決”では
信頼できる人のサポートが必須と書かれていますし
実際、対決することによって精神的に混乱するリスクなどを考えると、
「毒親に悩む人は、必ず親本人に思いを語るべきだ」
とは言えません。
けれど、私は思いを語る(=対決する)ことに対して、前向きな思いが募っていきました。
“毒親との対決”は賛否両論あると思います。
「毒になる親 一生苦しむ子供」の著者はスーザン・フォワードでアメリカ人です。
アメリカ人は自己主張の練習を子どもの頃からしていると聞きますが、
日本人はどちらかというと協調性を重視した教育を受けているので
親に対して、いい大人になった子どもが反抗的な内容を語るということ自体、
あまり現実的でない雰囲気もあります。
私自身、もともと喧嘩が苦手な性格で
「牙を抜かれている」かのように、
周りの人間に迎合し、媚びるスタイルをとりがちです。
でもそれでも、「やらなくては」という強い思いにかられるほど
親に対して屈折した思いを持ちながらの育児は
つらいものでした。
実体験について語る前に、説明が長くなってしまいましたが
“毒親との対決”はとてもセンシティブな問題なので、丁寧に説明しておきたいと思い、書かせて頂きました。
来週は、家族でゆっくり旅行に行きます。
当時のことを思い出すと、どうしても思いがつのり、激しい文体になってしまいますが
現在では家族で穏やかに過ごしています。
当ブログの更新は、旅行の間はお休みさせて頂きます。
統合失調症で強制入院に至り、ブラック企業と非正規の仕事を転々として疲れ果て、幸せな結婚をしたものの出産したら「子どもに愛を感じない」と言って苦しみました。
それでも、今はとても幸せです。
親に直接思いを語った実体験も含め、これからも更新していきますので
「統合失調症、卒業。」をこれからもよろしくお願い致します。
応援クリックをいつもありがとうございます。ずっと読んでくださっている読者の方々にいつも感謝しています。
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コメント
そめや様
ご多忙中、丁寧なご鞭撻有難うございました。 本日付けで拝読させて頂きました。 株式選びの視点が論理的で説得力がありました。 ダウ30種指定銘柄はそれなりに米国の景況を反映していますがここ数日の動きは上下運動の様で物足りなさを感じ、利用している以外の証券会社で口座開設を済ませ、米国債を購入しました。 そめやさんのブログまたじっくり読ませていただきますね。 あらためて御礼申し上げます。
ガイ様
コメントありがとうございます。
管理人のそめやあやみです。
新しく書いた株式投資の記事を読んで頂きましてありがとうございます。
このところ娘の夏休みもあり、ブログ更新が滞っている中、コメントをいただけて嬉しいです。
今後もブログ更新、頑張っていきますので
当ブログをよろしくお願いいたします。
そめやあやみ