ポジショントークを知ったら心が楽になったのは何故か?

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娘が先週風邪をひきました。それが私に移り、私がこじらせてしまい、更新が遅れています。
まだ完治していないため、しばらく更新が不定期になる可能性があります。

以下、先週から用意していた記事です。

私にとって心の支えになる「考え方」があります。

それを知り、理解することですごく楽になれた考え方です。

今日はそれを紹介したいと思います。

「ポジショントーク」です。

ポジショントークとは何か?と言うと、

「自分の立場に由来した発言」ということです。

「自分に有利な発言」と言う方が分かりやすいかもしれません。

ポジションは英語で「立場」を示します。

ポジショントークをする度合いは個人個人によって違いますが、

多かれ少なかれ何らかの発言はポジショントークだと思って間違いないと思います。

つまり、それが中立を装った記事であれ

親切な雰囲気のアドバイスであれ

センセーショナルなスクープであれ

インタビュー記事であれ

多かれ少なかれ「誰かが得をするために」書かれているということです。

このことは、勘が鋭い人ならば、言われなくても気づいているのかもしれません。

直感的に分かっている人は多いと思います。

ただ、私は直感的な感性は比較的鈍く、言葉を積み重ねてものごとを理解するタイプということもあり、このことを実感することは遅れをとったと思っています。

つまりは、色々な言葉やアドバイスや、記事に書いてあることなどを「こめられた気持ちも含めて」真に受けてしまっていたのです。

例えば、私が以前記事にした、夫よりも以前に交際していたGさんという男性が繰り返し私に言っていた「正社員になりなさい。正社員でないと、社会人として認められないんだよ」という言葉。(無職からフリーターへ(1)~過酷な飲食店に勤めて~無職からフリーターへ(2)~仕事を転々とした日々~ 記事参照)

その当時の私は真に受けて、自信を完全に失い、なんとか正社員の仕事に就けないか、もがいたものでした。

もちろん、正社員になれたら素晴らしいです。収入が安定することはとても重要です。いつまでもアルバイトではリスクが強いです。それは当時から現在に至るまで、よく分かっています。

でも、正社員に極めてなりにくい経歴というものがあるのです。

私は大学に入学する前に3年間の空白浪人期間がありますし、

大学卒業時に仕事に就いていません。

しかもその大学は「音楽大学」。

仕事は頻繁に変わり、長続きしていない。

企業からしたら「?」な経歴です。

(なに?この空白期間は何をしていたの?

音楽大学をわざわざ出たのに、なんで一般企業を受けるの?

なんで卒業した時、就職してないの?

こんなに転職ばかりして、仕事が続かない人なんだね…。)

そう思われてしまいます。

面接でいくら説明しようとも、なんだか言い訳のようで盛り上がりません。

アピールするような流れにはならないのです。

それでも正社員として採用してくれる企業は相当なブラック企業ばかり。

3日ともたずに辞めていく人が続出していた会社もありました。

続けられる人は皆、鉄のように強固なメンタルを持っていて、私のような繊細な人間は全く馴染めませんでした。

縁があり結婚した夫と話していても分かりますが、

「?」な人間は企業から敬遠されます。

わざわざ意味不明な人を雇う必要はなくて、経歴が分かりやすい人が好まれます。

夫は新卒採用に関わる仕事をする機会もあるので、採用側が何を考えているのか、話して聞かされます。

昔交際していたGさんは、私のことを思ってアドバイスしているようで、実はそうではなかったように思っています。

どちらかというと、別れを明確に意識したからこそ「正社員になりなさい」としつこく言っていた。そう理解すると、すっと落ち着くものを感じます。
私のことを思ってアドバイスしている、と思って疑わないでいた当時は、心が傷つき落ち込み、不安定になっていました。

「ポジショントーク」を意識して、情報をそのまま受け取らないようにすると、心の防御に非常に役立ちます。

例えば、昨今頻繁に取り上げられる「夫婦仲が悪い」ことを取材し、結婚・育児の悪い面をクローズアップして書かれている記事について。yahooニュース等を閲覧していると、毎日のように目にします。

こういったものを読みながら、私は「このように男女の仲を悪くするように促すことで、誰が得をするのだろうか」と考えます。

結婚は高確率で離婚につながると危機感をあおり、

既婚女性の就労率を高める。

それによって、更に多くの税金を国民から徴収する。

既婚女性は安い賃金でも文句なく働くため経済界には都合がいい。

仕事はできる女性も多く、なのに比較的安い賃金で雇いやすいので企業にとってコスパがいい。

その上、派遣法改正などでクビにしやすく、出産で退職する女性も多いので、頻繁により若い女性(若いほど要領よく仕事を覚えられる人が多い)に入れ替えられる。

また、国民に少しでも消費してほしい(=財布からお金を取り上げたい)経済界としては、

比較的買い物好きな傾向がある女性に働いてもらい、自分の自由になるお金をたくさん持っていてほしい。

働いてほしい、消費してほしい、そうやって使い倒して、疲れ果てたとしても、自己責任だから経済界には関係なし。

という、経済界と政治界にとって都合のよい理由があるのだな、と。

既婚女性が働くことに反論があるわけではありません。

男性の収入だけで家庭を設計することには、もちろん大きなリスクがあります。リストラや離婚の可能性は否定できません。

年金の受給年齢もどんどん後ろ倒しされるなか、子どもを無事に育て可能性を伸ばしてあげられる教育資金を用意し、収入がなくなる老後も安心して生きられるように、と考えたら女性も働くべきですし、

実際男性も含めて低賃金が余儀なくされている時代に、子どものいる家庭が父親のみの収入に頼るというのはリスクが高いです。

それを踏まえての共働き増加、ということは認識しています。

けれど、そのこととは別に「ポジショントーク」も併せて存在している(と自分は感じる)、ということを冷静に認識しておくと、自分のメンタルの防御に役立ちます。

小泉政権の規制緩和により、派遣と非正規労働が一気に増えた頃

「ハケンの品格」というドラマが放映されたこと。

「ハケン」をカタカナ表記で、また篠原涼子主演でお洒落に演出し、平均視聴率20.2%と、人気ドラマでした。
 

一般的には、テレビ番組は視聴率がとれるために作られている=視聴者のニーズが先にあって、それをリサーチして作られているという、認識があると思います。

けれど「ハケンの品格」を今思い起こすと、

やっぱり、派遣や非正規労働を国民の意識に喜んで受け入れさせるための「ポジショントーク」があったのだろうと、私は考えます。

メディアは、私たちの意識に何かを受け入れさせるために、

巧妙に情報を「切り取りながら」記事にしています。私はそう考えます。

ネットの記事だったり、テレビドラマだったり、テレビのCMであったり、すべてがそうだと思います。

そこには必ず「誰かが得をする」ポジショントークが隠れています。

それは単に「売れるから、アクセスを多く集められるから」だけではないことが多いと思っています。

「売れるから」であれば、つまり「ニーズがあるから」ということなので、

私たちがそれを必要とし求めているから。となって、結局それほどのポジショントークではないことになります。

例えば、私たちの劣等感を刺激し、なんとしても克服したいという強いニーズ(購買意欲)を引き出すことだったり、

「ハケンの品格」のように世の中に非正規労働を喜んで受け入れさせるためであったり。

そういった「ポジショントーク」に心の中まで明け渡さない、洗脳されないように気を付けていると、心が乱れることが減り、とても安定してきます。

常に自分目線でものごとを見る。他人の考えに扇動されず、いったん拒絶して自分の考えを確認する。

こういうことは、面倒で疲れる、考える暇がないほど忙しくした方がいいと思われがちなのですが

実際はそうした方が格段に精神的に楽になりました。少なくとも、私にとっては。

メンタルが弱いからこそ、自分で考えて、他人やメディアに心を明け渡さないように努力することで楽になる。

すべての人に当てはまるとは思いませんが、個性によってはとても有効なのではないかと思っています。

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