当ブログでは基本的に私の過去について、鮮明に残る記憶をもとに書いています。
「統合失調症は寛解はあっても完治はない」と精神医学では明確に言われているなか、
当ブログでは完治した経験を書いていますので、
基本的には医学に挑戦しているような内容になります。
統合失調症で苦しんでいる患者の方々に、「お薬を飲むのをやめたらどうか」と勧める内容では決してありません。
そして、私がたどってきた道を模範として示すことができるものでもありません。誰もに応用できる道だと言うのには、私という一例だけではあまりにも例が少なすぎます。
それでも書きたかったのは、あまりに統合失調症を発病した患者にとって希望のない世の中に一石を投じたかったからです。
「お薬は原則一生飲み続けるものです」と言われるたびにどんなに無力感でいっぱいになったか。
抗精神病薬を飲んでいると、結婚できるかどうかも分からない。
結婚できなかったら、私はいったいどうなってしまうのか、正社員の仕事に就くことができないのに…!!!
これは切実でした。
少なくとも私にとっては、本当につらいことでした。
長く通院してお世話になったBメンタルクリニックの先生にはこんなことを言われていました。
「心を病んでいる患者さんは、お薬を飲んで落ち着くことのありがたさが分かっているから、そんなにお薬をやめたいって言われないのだけれど」
「そめやさんは、きっと症状が落ち着いているからお薬をやめたいんでしょうね」
「でも、いっとき強く激しい症状が出たのは間違いないのだから、そめやさんの脳はストレスに弱いんですよ」
「お薬は原則飲み続けます。妊娠・出産の前後は症状がぶり返す人がとても多いですから、尚更しっかり服薬してくださいね」
私が当時服薬していた「リスパダール」(その先生のもとで後に「ルーラン」に変更)という抗精神病薬は、妊娠・出産には問題はないと言われているお薬だと、Bメンタルクリニックの先生は重ねて言っていました。
「抗精神病薬を服用していなくても、奇形の子どもが生まれる確率は0.2%ある。その確率が、リスパダールを服用することによって0.2%から0.3%に上がるだけだ。その差は0.1%だけだ。
そして、服用しながら授乳をしても問題ない。」
リスパダールというお薬はアメリカ発祥のため、そういうデータがあるのだとおっしゃっていました。
そしてルーランは日本発祥なのでそういったデータはとれないが、リスパダールよりもより効き目が穏やかなお薬なので、より妊娠・出産への影響は少ないと思う。
そう聞かされてきました。
その0.1%の差異という言葉を聞いて私が思い出したのは
高齢出産によるダウン症の発症の確率の話でした。
ダウン症児が生まれる確率
●30歳:1/952
●35歳:1/400
●40歳:1/106
●45歳:1/30
ダウン症と奇形では、厳密には違う話だと思いますので
個人的な解釈ではありますが、
若いうちに出産すれば、0.1%の差異など小さなことだ。
抗精神病薬を飲んでいることよりも、年齢の方が子どもに及ぼす影響は大きいのではないか。
と感じたのです。
0.1%の差異という話は、Bメンタルクリニックの先生が私に話してくれたことの中でも特に印象的な話でした。
ずっと記憶しておけるようにメモにすぐ書き残した大切な教えです。
後に、結婚による引っ越しに伴い、転院することになるのですが、
明言を避ける精神科医にもあたり、
「抗精神病薬を飲みながらの出産にリスクがあることは間違いない。何かある可能性は否定できないと言っておきます」
という発言にも出会いました。
また抗精神病薬を服用しながらの授乳については担当医師の判断によるようで、完全ミルクを指示し、母乳を与えることを禁止する方針の先生もいるようです。
実際、その時には妊娠していましたから、医師としても無責任なことは言えないのでしょうけれど。
「リスク出産」
妊娠した当時はルーランを服用していましたから、そう言われたことに異論はありません。
統合失調症を発症した女性で、独身の場合
「結婚できるのか」
「妊娠・出産できるのか。健康な子を産めるのか」
というのは気になるテーマなのではないかと思います。
少なくとも私にとっては大きな関心でした。それが一番の目標であるからこその、一番の悩みでした。
それを実現した成功体験を、できる限り詳細に思い出してこれからも綴っていきます。