妊娠に至るまで(1)

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私は結婚し、新婚旅行も楽しんだ後

「子どもをそろそろ作ろうか?」

と夫に話しました。

 

夫が子どもがほしいのは分かっていましたので、早い方がいいと思っていました。

以前記事にしたように(「統合失調症の患者が、妊娠・出産するということ。」記事参照)、子どもを産むのは早い方がいいと考えていましたし

「善は急げ」という考えもありました。

 

夫はこう言いました。

「今でなくてもいいんだよ。新婚の時は一生で一度しかないよ、新婚を楽しんでからでもいいんだよ」

 

このとき、私はこの夫の言葉の深さを理解していませんでした。

 

一生に一度しかない新婚のひととき。

子どもができるとはどういうことなのか。

 

それを私は何も分からずに

「子ども2人欲しいって言ってたよね。

年子は大変だし、2歳は離すとしたら今すぐ作った方がいいよ」

 

と答えました。

 

分かっていなかったな…と今では思います。

 

「子どもを作るタイミング」にもう少しこだわっても良かったかもしれない。

と今では思っています。

 

それでも、そんなことを思いつきもしなかったのがその時の自分で、

精一杯だったとも思います。

 

その頃、統合失調症の治療状況としては

結婚のための引っ越しに伴い、

長くお世話になったBメンタルクリニックから転院をしました。

新しいクリニックもインターネットで探し、Bメンタルクリニックの先生に書いてもらった無記名の紹介状を携えて受診しました。

(次の転院先が決まっていなくても、無記名の紹介状を書いてもらうことが可能です。)

Bメンタルクリニックでは既にルーランの単剤処方になっており、

「維持量」と言われる1日12mgを下回る、18mg処方まで減薬していました。

私は統合失調症の治療を進めていて、

「はい、寛解です」

と精神科医に太鼓判を押される、という経験をすることはありませんでした。

 

一番長くお世話になったBメンタルクリニックの先生は、受診するたびに

 

「寝られていますか?食べられていますか?」

と挨拶のように言われていました。

「はい」

と毎回答えるばかりでした。

そして日々の暮らしの報告。

 

私はいつも、頃合いを見計らって減薬を申し出て、いつの間にか「維持量」を下回っていました。

Bメンタルクリニックの先生は断言を避けているようでしたが

「そめやさんは一度大きな症状が出ましたが、再発することなく今に至っているというのはとてもいいことです」

と言ってくださったことがあり、

日常の暮らしで精神的に不安定になって困ることがない現状を考えると

「自分は寛解しているのだろう」

と判断していました。

 

そして結婚後、新しいメンタルクリニックに転院し(Sクリニックとします)、

数回通院して

「ルーランを一日あたり、8mgから4mgへ減薬してもいいですよ」

と言われました。

 

ルーラン4mg

すごく嬉しかったです。

 

闘病の初めはセレネース、コントミンといった強い抗精神病薬に加え、サイレースにハルシオンといった睡眠薬も処方され、数えきれないほどの大量のお薬を飲んでいました。

ルーラン4mgにたどり着いた頃、統合失調症を発症してからおよそ10年が経過していました。

 

それでも、PCに記録されているカルテが見えた時

「統合失調症」

とはっきり書いてあることが悲しかったです。

この病名からはずっと逃れられないのか…!?

と悔しさをかみしめながら

 

私は

「妊娠を考えています」

とSクリニックの先生に切り出しました。

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