「数字が好きな人って、意外と多いんだなぁ……」
時々、こんなことを思う。
私は「好きこそものの上手なれ」だと考えているので、全然、批判するつもりはない。
ビジネスモデルを考えてみる
仕事は、数字とクリエイティブという、二項対立にも近い要素で構成されていると思う。
iPhoneを作るアップルなどのようにクリエイティブを中心軸とする企業もあれば、ZOZOTOWNのように数字の管理や運用面を一手に引き受けて、取引先にあたるアパレルのクリエイティブを最大限に引き出すようなビジネスモデルもある。
ものを作って売る企業はクリエイティブ中心なことが多いだろうし、会計事務所のように管理や運用を引き受ける企業は数字を中心に据えていると思う。
仕事内容を考えてみる
このようにビジネスモデル自体が主軸をどちらに置いているかという視点とはまた違って、人が取り組む仕事の特性も、数字とクリエイティブの観点で眺めると興味深い。
クリエイティブを主軸に置くビジネスモデルの企業は、数字の管理や運用を外注したり社員に任せていると思う。
数字の運用を主軸としたビジネスモデルの企業は、主に取引先や顧客のクリエイティブを引き出していると思う。
そして、どちらかの要素が強いというだけではなく、「どちらもカバーしなくてはならない」仕事は確実に存在する。
例えばSNS運用を1人の社員に任せるなどは、明らかに、数字とクリエイティブを両立させなくてはならない仕事だと思う。
この「どちらも両立必須」なことをしばらく取り組んでいると、一緒に取り組んでいる周りの人たちの傾向が、何となく見えてくる。私はTwitterをやっていて思った。
明らかに数字の方が好きで得意で、そちらに傾いていく人もいれば、逆にクリエイティブばかり追求していく人もいる。
基本的に両立が必要なことをやっているにも関わらず傾向が偏っていくのは、「好きこそものの上手なれ」ということであり、個性があらわれて面白いところだなと思う。
この「数字とクリエイティブの両立が必要」な業務というのは、いわゆるジョブ型雇用で取り組む仕事内容に近いのかもしれない。
数字の需要
個人的にはSNSはクリエイティブなほうが見る側も楽しいと思うので、数字の運用に偏っていくタイプの人はちょっと理解しづらいのだけど、それは私が「数字に弱い」ことの裏返しでもある。
私はTwitterをしていて数字や運用を考えるのは面倒くさく、ツイートを考えている方が断然楽しい。好きこそものの上手なれであり、客観的に見ると比較的、数字に弱いタイプだと思う。
私が仕事に困っていた頃、日商簿記二級やMOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)を取得したりしていたが、今思えばそれは私の弱点にあたる「数字の運用」を克服しようとする試みだった。結果論でしかないけれど、数字を補強するよりも、クリエイティブを仕事に繋げる方向で模索するべきだったかもしれない。
私の感覚的な話が続いて恐縮だけど、数字を扱う仕事はクリエイティブな仕事に比べて需要が多いと感じる。
私の仮説では、クリエイティブ中心の企業は経営層がクリエイティブを握って数字運用を外注や社員に任せることが比較的多く、数字運用を中心に置く企業は「取引先」「顧客」のクリエイティブと関わるから、クリエイティブの仕事は、多くは発生しづらいのではないかと思う。
クリエイティブに偏った特性を持つ個人は限られた仕事を奪い合うような気がしてならない。
Twitterはクリエイティブが映える空間だと思うので、数字に偏る傾向はあまり素敵に見えないと私は思う。でも、世の中では数字(運用)の需要は手堅いものだとも思う。
いかに効率的に数字を運用するか、試行錯誤を重ねてきた人材には需要があると、求人募集を眺めていても感じる。
Googleアナリティクスの「カスタムレポート」「セグメント」の運用経験が必要な求人募集には、数字を効率的に運用する価値を感じる。一方でポートフォリオが審査されるクリエイティブ系の求人募集を見ると2年以上の実務経験が必須だったりと、要求される基準の高さから、クリエイティブを仕事にするのは大変なことなんだろう、などと思った。(ざっとindeedの求人を眺めただけではあるが)
なので私のような数字が苦手なタイプは、謙虚に弱点の改善を重ねつつ、もとから好きで得意な人に数字で勝つのは難しいと考えて、地道にクリエイティブを磨いていくほかないと思う。
今はSNSで自分のやりたい発信や表現をできるので、Twitterやnoteやエブリスタで文章を書いていくうちに、このような仮説を持つようになった。仕事探しに苦労していた頃はこういうことは何も思いつかなかった。何も考えないよりは考えている方がマシかもしれない、などと思っている。