妊婦健診と、D病院の精神科に通院しながら、出産の日に備えて赤ちゃん用品を買いそろえていく日々。
そんな穏やかな暮らしを送っていた中、あるD病院の受診の日。
「そめやさん、こんにちは。最近調子はどうですか?」
「はい、いいと思います。最近は育児グッズをそろえて出産準備をしたりしています」
「そっかー、いいねえ」
そういったいつもの近況報告を終えた後のことでした。
「お薬、いったんやめてみようか。それともとりあえず飲み続けていてもいいよ。どっちにする?」
…!!!
先生からの提案でした。
私から「お薬をやめたい」と言った訳ではありません。
そう言うことは自分にとってタブーだと思っていました。
お薬を飲み続ける。それを分かっていることをアピールしなければ、
「病識がない」と思われて病状の悪化を疑われる…。
そんな悲しい記憶が心に強く刻み込まれていたからです。
「やめてみます」
このチャンスを逃す手はない。そう思いました。
こんな風に言ってくれる先生はこの先生しかいないかもしれない。
今後、もしまた引っ越しをしたとして
どんな精神科医に出会ったとしても、
これほど自分に温かい目を向けてくれる先生に出会えることはないかもしれない。
「不安があったら飲み続けてもいいけどね。飲んでもお腹の赤ちゃんには問題ないから」
「いえ、今やめてみます」
ずっと、ずっと願っていた断薬。
これに乗らない手はありません。
「じゃあ、次の予約はいつも通りにとっておくけど、何か不安があったら予約日まで待たずに、すぐに受診してくださいね。あと、ご主人が受診した方がいいよって言ったらすぐに来てね」
初めの受診で夫に同行してもらったことが、この時点から活きてきました。
(「妊娠してから(6)~D病院を受診。発病した頃について聞かれて~」記事参照)
私一人が
「調子はいいと思います」
と言うだけでは少し説得力が低いのでしょう。
あのご主人が見ていて、きっと調子が良くないと思ったらすぐに受診を促してくれるだろう。
そういう「信頼感」があったようでした。
その信頼感があったからこそ、先生は断薬に踏み切れたのかもしれません。
しっかりした夫と一緒に住んで、仲良く暮らしています、というアピールをしておいたことは決して無駄ではありませんでした。
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