恥辱の転院(1)~Cクリニックを追い出されて~

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以前書いた統合失調症という病名と戦ったことというカテゴリーで、Cクリニックの通院中に体験した悲しくつらい出来事について書きました。

その一連の出来事があった後も私はCクリニックへの通院を続けていましたが、ついにCクリニックの先生から通院を拒否されるようになりました。

「そめやさん、どこか別の病院を見つけてください。こちらでは、もう診ることはできません」

そう言われてしまいました。

先生の指示に素直に従わない患者は面倒だったのだと思います。

でも、お薬は指示通りに服用していましたし、予約通りに通院を継続していましたし、セカンドオピニオンで以前の病院を受診するように言われれば従いましたし、私なりに努力はしていたのですが。

「統合失調症」という病名に疑問を投げかける姿勢が気に入らなかったようでした。

強制入院でお世話になったM先生のもとを離れる時は新しい病院(Cクリニック)を探し、紹介状を書いて送り出してもらえたのですが、Cクリニックの先生はもとから新しい病院を紹介するつもりは全くなく、自分で探してくださいというスタンスでした。

まあ、M先生に紹介して頂いたからといって、Cクリニックの先生とは相性が合わなかったわけですから、自分で口コミを調べてインターネットで探した方がいい先生に出会えるかもしれない、と気持ちを切り替えて私は精神科の病院を探しました。

Cクリニックの先生はインターネットの口コミサイトでは評判が悪かったですし、やはり患者とのコミュニケーションを円滑に進めることが苦手な先生だったのかもしれません。

私は、通える範囲のなかで評判が悪くないBメンタルクリニックをインターネットで見つけ、電話しました。

「こんにちは。初めてお電話します、そめやです。受診の予約をしたいのですが」

Bメンタルクリニック「そめやさん、初診の予約ですね。今まで精神科に通院したことはありますか?何かお薬を飲んでいますか?」

「はい、通院していますし、お薬を飲んでいます」

Bメンタルクリニック「そうですか。それなら以前の病院に紹介状を書いてもらって、初診の時に持ってきてください。紹介状がないと、診ることはできません」

…!!!

私はこの「精神科の転院では紹介状を求められる」という事実を知りませんでした。

精神科の病院を転院する際に、統合失調症という病名だからなのかもしれませんが、新しい病院で必ず紹介状を求められます。

考えてみると、精神科でない一般的な病気だと、必ず紹介状が必要とは限りません。

例えば総合病院を受診する時には紹介状を持っているか問われて、紹介状がないと「選定療養費」という所定の料金を支払う必要がある場合がありますが、

精神科の場合は総合病院でなくても、町にある小さなメンタルクリニックであっても、紹介状を求められ、しかも

「紹介状がなければ診ることはできません」と言われました。

事実上、紹介状をもらってこなければこの後の受診は不可能ということでした。

このことを分かっていて、Cクリニックの先生はあえて紹介状を書かずに他の先生を探しなさいと突き放したのかどうか、それは分かりません。

ただ、その時点でCクリニックの先生への信頼は完全になくなっていたので、紹介状がないと新しい病院を受診することができないことを分かっていて、
もう一度Cクリニックに受診させて「紹介状を書いてください」と頭を下げさせるためにあえてやったことではないかと思ってしまいます。

この「紹介状がないと転院ができない」という事実を、私はとても不快に感じています。

このことによって、病院と仮に相性が悪かった場合、転院することのハードルが高くなってしまいます。

既に相性が悪くなっている先生に「紹介状を書いてください」と頭を下げて受診するのは結構つらいものです。

また、引っ越し等でもし既に転院前の病院に行くことが困難になっていたらどうするのでしょう。クリニックによっては、必ず手渡しで紹介状を出すことになっており、郵送には応じないところもあります。

このことをふまえて、相性のいい病院から別の病院に(引っ越し等の事情で)転院する時に、念のために2通の紹介状を書いてもらっておく(2通目は健康保険の対象外で自費の支払いとなります)
という精神科転院のテクニックもあるくらいです。

例えば転院した先の病院が、一度行っただけで相性が悪いと感じた場合、心を病んでいる患者は「紹介状を書いてください」と言いにくいことがあります。

そんな時に備えて、転院前に2通書いてもらっていれば予備の紹介状を持って次の病院を探せます。

私は現在に至るまでの多くの転院のなか、2通書いてもらったことが2回あります。

2通目の出番があったことは結局ありませんでしたが、何かあった時に備えての心の保険のようなものでした。

ただ、新しい病院にしばらく通った後に相性が悪くなり、次の病院を探す場合はどうしても現在通っている病院に書いてもらわなくてはなりません。

それが、CクリニックからBメンタルクリニックに転院するとき起こった出来事でした。

そもそも、紹介状がないと受診を拒否されるというのは、精神科医の先生は患者の言うことを根本的に信用していないという意味だと私はとらえています。

基本的に、飲んでいる薬をおくすり手帳等で報告し、口頭で今までの経緯を話せば問題ないはずなのに。基本的に、今の症状を診てほしいのに。

過去の経緯を、過去に診てもらった医師の書いた紹介状を診ないと「責任が持てない」というニュアンスでメンタルクリニックは経営しているようです。

実際に精神科の患者から虚偽の申告がある可能性もありますし、責任が持てないというスタンスをとるのは致し方ない面もあるのでしょうが。

通える範囲でメンタルクリニックを探すなか、ホームページに「紹介状を持ってきてください」と明記しているクリニックもありました。

おそらくこの業界では常識のようになっているのだろう。そう思わざるをえませんでした。

私はCクリニックをもう一度受診し、紹介状を書いてくださいと頼みました。

相性が悪くなり、「もうここでは診られません」と言って追い出されている病院を受診するのは精神的につらかったです。

メンタルの弱い患者が、なぜこんなつらい目にあわなくてはならないのでしょうか…。

理不尽に感じつつ、私は紹介状を手にすることができ、Bクリニックへ通院を始めました。

この時期は少し前回の記事と前後しており、大学在学中の出来事でした。

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コメント

  1. あのん より:

    わたしも統合失調症で病院を変えた者ですが
    前の病院の診断書が必要といったことは
    言われませんでした
    その病院だけがそういったことを
    しているだけではないでしょうか

  2. そめや あやみ より:

    あのん様
    初めまして。「統合失調症、卒業。」のそめやあやみです。
    コメントを頂きましてありがとうございます。
    あのん様は転院の際に、紹介状を必要と言われなかったとのこと。
    体験談をありがとうございます。

    私が今までの経験で、何度も転院を繰り返す中で
    「紹介状がなければ診られません」
    という対応をされたことは一度ではありません。
    「妊娠してから」というカテゴリーでもそういった経験を書いていますので、よろしければお読みください。

    私が最後に診て頂いた精神科では、紹介状はあまり参考にしていなかったようなので、
    病院によって対応は随分と違うものだな、と私も実感しています。