強制入院で経験したこと(4)~そして退院~

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相部屋に移ってからは、閉鎖病棟からは出られないものの、入院生活で一番つらかった身体の拘束も全くなく、たくさんの同病の人達と交流する毎日で、楽しい日々を送っていました。

電気けいれん療法は入院直後の一度きりで終わり、毎食後に大量の抗精神病薬を飲むという、それだけが日課でした。

結構強力なお薬を飲んでいました。セレネースやコントミン等、把握しきれないほどの量でした。

 

そんな世間から隔離された生活も、終わりを告げる日が近づいていました。

 

当時は理解していませんでしたが、保険診療の制度として、継続して同じ病院に入院できる期間には定めがあり、ずっと入院できる訳ではなかったようです。

入院している間に高校を卒業し、外の世界は冬から春へ移っていき、そして夏の始まりを告げるかのような強い陽射しが感じられる季節になっていました。

私は退院に向けて実家に外泊することを数回繰り返し、

問題ないと判断され、

無事退院となりました。

 

私の強制入院は、保険診療で入院できる最長の期間を終えて

私は実社会に戻りました。

 

その年、頑張って目指していた大学受験はできず

何とか高校だけ卒業して

戻ってきたこの社会。

 

統合失調症という烙印を押されて戻ってきたこの社会。

 

それはとても過酷なもので

それから送る人生の中で私は何度も

「再入院したい」

と思いました。

 

でも、結果的に私は再入院することはありませんでした。

何とか持ちこたえ、

精神科への通院を10年ほど続けて、

ついに抗精神病薬の服用はゼロになり

もう通院することはなくなりました。

 

入院したことはつらかったけれど、

本当の闘いは退院してからだったかもしれません。

 

消えてしまいそうになる希望を探し求めて生きる日々。

 

何だかボーッとしていて、

何の生きがいもなかった

退院直後の私が今に至るまで。

 

優しくて頼りになる夫に恵まれ、健康な子どもを授かり、幸せを感じる日々をつかむまで。

 

取り組んだこと、挫折したこと、傷ついたこと。

つらかったこと、悲しかったこと。

そんな中でも嬉しいとき、楽しいときもあったこと。

 

そういったことを、これから書いていきます。

 
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