産後、向き合ったこと(5)~続・このことが、一番辛かった~

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前回記事で、産後一番辛かったことは

「精神的に落ち込むと、どこまで落ちていくか予測がつかない。そして、回復できるのがいつなのか全く予測がつかない」

ことだったと書きました。

そういった経験が出産するまでになかったのか?というと、たくさんありました。

もともと統合失調症を発症して強制入院の経験もあるくらいですし、

決して順調な人生を歩んできたわけではありません。

いくらでも感じてきた気持ちでした。

産後、どうしても精神科の門をたたきたくなかったというのも

「(全体的に)精神科には苦しめられた」という思いが強かったからでした。

統合失調症を発症してしまったからには、お薬を飲まなくてはならないが

そもそも発症したきっかけは処方されたお薬を無知のために飲まなくなってしまったことと思っています。
(「統合失調症を発病するまで」カテゴリー参照)

説明もなく処方されていた統合失調症の薬。自分が統合失調症と思わず、診断書に書かれた「心因反応」だと思っていた頃。

いきなりお薬をやめたから、強い症状が出てしまった。

そもそもあの時、登校拒否になった高校時代に精神科に行っていなければ。

安易にお薬に頼らずにいれば。

もしかしたら統合失調症になることもなかったのではないか。

その思いは、いまだに持ち続けています。

産後の話に戻ります。

落ち込んで落ち込んで仕方がないこと、そのことは産後に強く感じたことでした。

ただ、結婚してから子どもを産むまでの期間はゼロだったか?と考えてみると。

その頃は落ちこむことがなかった訳ではありません。

しかし一日ほどで気持ちは回復していましたし、落ち込みの度合いは独身の頃と比べて随分と楽になっていました。

そのため産後は、そういった苦しみがもう一度訪れることに対して「心の準備ができていなかった」という状態でした。

また、独身の頃と違うのは、私の隣に最愛の夫がいるということでした。

それはありがたいことですし、本当に感謝しかないのですが、

落ちこんで落ち込んで仕方ない時に思っていたことは

「こんな私を見せてしまって、夫に幻滅されてしまったらどうしよう」という恐怖でした。

付き合っていた時は、週に一度のデートでしたから

いくらでも自分を飾れます。

自分が精神的に弱っているところを見せないようにすることも、一日くらいなら余裕でできます。

結婚してから子どもが産まれる前の期間、喧嘩もしましたが

「自分が精神的に混乱している様子」を見せることはありませんでした。

イライラが止まらなくなって、家の壁を叩く。ぬいぐるみや枕を壁に向かって叩きつける。

そこまで気持ちが高ぶっている時に、一番怖かったことは「夫に幻滅される」こと。

子どもにあまり愛情を感じることがなかった私は、相変わらず夫を慕い続けていましたが、

イライラした自分を見せてしまうことが恥ずかしくて、悲しくて、その思いが更に落ち込みを加速させていました。

夫と娘と暮らす住まいは賃貸アパートですから、当然階下や隣には人が住んでいます。

私が壁にあたりちらしている時、それはそれは迷惑だったことでしょう。

ただ、角部屋に住んでいるため、隣の片方には住人がいません。

そんな中、夫は私に言いました。

「もし苦情が来たら、住人に隣接していない部屋でやればいいよ」

夫の表情は怒っていませんでした。

私がイライラを爆発させることに対して、夫が怒ることはありませんでした。

そういう時、産まれたばかりの娘はどうしていたのかというと、

ベビーベッドで静かに寝ていました。

本当によく寝てくれる子で、母乳だけでなく哺乳瓶のミルクもよく飲み、育てやすいことこの上ありませんでした。

「それなのに、子どもに対して愛しいと思えない私は、いったいどうすればいいのか??」

そう、ずっと思っていた時期でした。

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