アメリカ旅行を振り返る。(2)~ラスベガスで感じた高揚感~

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アメリカに行きたかった一番の理由は、ホワイトサンズ国定公園に行きたかったからだ。
ホワイトサンズは、比喩ではなく本当に真っ白な砂漠だ。
それを写真で見て、この地に実際に行ってみたいと思った。

ホワイトサンズ

ホワイトサンズ国定公園にて陽が沈むとき。暗くて分かりにくいかもしれませんが、真っ白な砂漠です(写真は筆者撮影)。

もともと大きくて広い大自然に憧れがあって、グランドキャニオン国立公園にも行ってみたかった。
新婚旅行の時も考えたが、その時は季節が冬で、さすがに寒すぎるだろうと話して断念した経緯があった。

一年前にこの旅行から帰ってきてすぐに書いた記事では、グランドキャニオンの写真を貼り、大まかに旅行で感じた思いを書いている。

アメリカ旅行に行ってきました。   一週間超の旅行と、時差ボケと睡眠不足から回復するまでの間、更新をお休みさせて頂いていまし...

一年経って詳しく書きたい思いにかられてしまった。どうも、少し時間が経たないと心の整理がつかないタイプなのかもしれない。嫌なことだけでなく、楽しかったことも。

まずラスベガスに泊まり、グランドキャニオン等の国立公園を複数観光し、体力を回復させるためもう一度ラスベガスで宿泊し、そこからアメリカの南部に飛行機で移動してホワイトサンズ国定公園を観光する。
そんなプランになった。

ラスベガスは世界的に有名なカジノの街だが、カジノでギャンブルに興じなくても「都会で休む」ことができて、それだけで充分にありがたい。

国立公園でも公園内の宿などに泊まったが、都会の清潔なホテルに泊まった方が、体力の回復が断然早い。

当初、ラスベガスに求めていた目的は、ホワイトサンズという砂漠観光に向けて体力を蓄える「効率的な休憩」だけだった。

だが、ラスベガスは思いのほかすごく楽しかった。

夜中の12時をまわってしまってから、夕食をとるためにレストラン探しに街に出ると、街全体に強いエネルギーが感じられた。

目の前にスッと切手のようなドラッグを差し出される。大柄な男性が顔を覗き込んでくる。それを断りながら夫とぴったり連れ添って歩く。

アメリカ人に見える女性三人組が、20センチ程にも見えるハイヒールを履き、大きなスリットの入ったロングドレスを着こなして街を闊歩している。女子会なのか何なのか。女子というにはあまりにもかっこ良すぎる。

昼間のラスベガスは皆ラフな格好で、ジーンズにTシャツが大半に見えただけに、その落差に驚いた。

カジノに一歩入れば妖艶な雰囲気に満ち溢れているが、昼間の街は健全に見えた。

深夜は街全体が妖艶なエネルギーで突き動かされるようになっていた。

ラスベガスは、ホテルの宿泊料金はそれほど高くない。日程によるが、スイートルーム1部屋を1泊で3万円ほどで宿泊できる。大人2名でも同じだ。

日本でスイートルームに泊まると目が飛び出るほどの価格になり、とてもじゃないが庶民には手が出ないけれど、

ラスベガスでは一気にリーズナブルな価格になってスイートルームが出迎えてくれる。

ラスベガスのスイートルームの窓から

ラスベガスのホテルにて。スイートルームの窓から外を眺める。スイートルームは日本に比べると驚くほど安い(写真は筆者撮影)。

安く泊めさせるホテルからすれば、すべてカジノの収益でもとをとることができる。それを前提として、街が作られているように見える。

カジノはホテルに付属しており、敷居は全く高くない。お遊び程度に夫と入ってみたが、私はカジノそのものよりも、点在する台の上で若くて美しい半裸の女性が常に踊っていることに驚いた。

カジノを打つお客さんたちは、半裸の女性たちを一瞥すらせず、黙々とカジノに集中していたが。

あれは演出なのだろう。日本でも男の三大遊びとして古くから「飲む・打つ・買う」と言ったように(お酒・賭け事・売春を指す)、やはりカジノでは女性の魅力を前面に打ち出してくるのだ。演出でしかないのに、それに誰も見ていないのに、きれいな女性が本当に踊っている。きっと射幸心を煽る効果はあるんだろうな。

と、妙に感心した。

少し話題はそれるが、日本でもカジノ法案が成立し、カジノができると聞く。

カジノが儲かる、稼げるという考えもあるのだろうし、実際そうかもしれないが、

カジノの本場であるラスベガスに行って、体験して思うのは

「日本でやってもそんなに上手くいかないんじゃないかな…」

ということだ。

カジノの本場ラスベガスで私が体験したことは、ホテルの料金は破格で、ゴージャスなホテルに泊まって気分は最高に盛り上がる。

華やかで挑発的でセクシーなドレス・靴が普通に目立つところで売られており、夜になると本当にそういった服装で着飾った女性たちが街の表通りを闊歩している。

高級カジノの内部では、数人の客を相手に絶えず微笑を浮かべ、軽妙なトークで盛り上げつつカジノを仕切っていく胴元がたくさんいる。

常にゆっくりと踊り、動きを止めることのない半裸の美しい女性が、カジノの中に、点在している。

夜のラスベガスは、ふわーっと人生の苦しみを忘れさせるかのように、ギャンブルへ誘う雰囲気が充満していた。

街全体に、カジノとしての迫力、麻薬のような魅力を感じる。

パチンコのような形式のカジノもあった。そこでは、大金を投じる予定がない(ように見える)人たちがゆっくりと座ってカジノに興じていた。胴元の人間がいるわけではない、パチンコとの違いが正直分からないカジノが、街中のいたるところで見られた。空港にもあるし、自動販売機くらいの感覚でポンポン置いてある。ホテル内のカジノにもある。

パチンコのような形式であれば日本にも馴染みがあるが、ラスベガスの「街全体でギャンブルをあおる」雰囲気は、謙虚で礼儀正しい日本の雰囲気とはかけ離れている印象だった。

外国人をお客として迎え入れるのであれば胴元には相当な語学力も必要になるだろうし、何だかすごく難しそうだ。

もう一つ印象に残ったのは、ラスベガスにはレディファーストの文化を感じた。これもまた日本とは大きく違って驚いた。

ホテルの駐車場から車を出してきてくれた担当者は

「助手席の」ドアを開けてくれた。

運転席ではなく、助手席だ。お金を支払い運転をする夫にではなく、助手席に座る妻の私を優先し、気遣ってくれた。

バスに乗ると、特に妊娠しているわけでもない20代ほどの若く元気な現地の女性たちに、現地の男性が自然と席を譲っていた。

女性に席を譲るのは当たり前。女性を優先し、気遣うのは当たり前。そういう雰囲気だった。

レディーファーストは完全に文化として根付いていて、慣習として特に何も考えずにやっているような雰囲気だった。

突き詰めれば差別的なのかもしれないが、その雰囲気は驚くほど明るく、譲られた女性も譲った男性も笑顔になっていた。

ホテルの担当者に車の助手席のドアを大きく空けられた瞬間、私は今まで感じたことのない類の高揚感を得た。

これが、もしかしたら承認欲求が満たされるということなのだろうか。

人前で丁寧に扱われる喜びとはこういうものなのだろうか。これにハマった人は、承認欲求を満たすことを目的として生きるようになるのだろうか。

ラスベガスでは終始ドーパミンやアドレナリンが出ているような感覚だった。

子どもを預けてこんなところに来ているという背徳感もあったのだろうか。

それを夫と共有していたから、間違いなく夫婦の旅行なのに、あたかも不倫旅行であるかのような興奮が止まらなかった。

それほどに強い刺激と大きな快感を感じる、ラスベガスでのひとときだった。

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コメント

  1. ガイ より:

    Ayami Someya様

    はじめまして。

    東海地区のガイと申します。

    ツィーター♯米国株から
    そめやさんの投稿から貴ブログを読ませて頂きました(もっぱら読み専です)。

    米国株は、初心者です。

    現在、社債のほか、米国株はダウ工業30種指定銘柄から選定しています。

    そめやさんの株式のピックアップに少し興味をおぼえました。

    ブログは軽妙な文体に併せて清冽を感じました。

    投資信託のほか、服飾好きです。

    どうぞよろしくお願い致します。

    長文失礼致しました。

    • Ayami Someya より:

      ガイ様

      コメントを頂きましてありがとうございます。
      私のツイッターからブログを読んで頂きましてありがとうございます。

      私の米国株のピックアップは、
      インベスコQQQトラスト・シリーズ1(QQQ)、
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      QQQはナスダックに連動しています。これが中心です。
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      また記事でも詳細を書かせて頂きます。

      そめやあやみ