(1)【実体験済】毒親と対決することとは

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以前、「毒になる親 一生苦しむ子供」という本を紹介させて頂きました。

(「産後、向き合ったこと(1)~出産を機に自分の過去と向き合うことに~」記事参照 )


毒になる親 一生苦しむ子供 (講談社+α文庫)

産後、この本を初めて読んだ時、自分のことをすべて言い当てられているような気持になりました。

自分のために書かれているかのようで、

初めて読んだのになんだか懐かしく感じるほど

強く感動して涙が止まりませんでした。

語り掛けられているような。

そんな気持ちでした。

「不幸にする親 人生を奪われる子供」も購入し、これも何度も読みました。



不幸にする親 人生を奪われる子供 (講談社+α文庫)

「毒になる親」には、具体的な解決策の提案が少なく、問題の分析が主になっているためです。

この本は、具体的な提案が盛り込まれた章が最後に用意してあり、明るい読後感を得ることができます。

「毒になる親」は、感情を強く揺さぶられるため、日常生活に戻るためにクールダウンする時間が必要でした。

それでも、「毒になる親」に出会うことは私にとって必須だったと断言できます。

心の中で大きな存在を占めていた「親」を、自分にとって決して良い存在でなかったことを認める。

これは私にとってとても重要なステップでした。

そして、「毒になる親」には全く解決策が載っていないわけではありません。

「毒親との対決」が提唱されています。

自分が親に苦しめられたこと、悲しめられたこと、傷つけられたことを、親に直接会って語りなさい。

という内容です。

これが結構過酷な提案で、

もともとそういう「話し合い」に誠実に対応できないのが毒親です。

だからこの「毒親との対決」は、とても後味の悪いものになって当然と思います。

それでも、私は「対決」をやりました。

なぜか。

「毒になる親」には、こう書いてあったのです。

くり返すが、この話し合いで忘れてはならない大切なことは、親の反応がどうであるかではなく、あなたがどう対応するかということだ。

もしあなたが、親の怒りや非難、脅し(おどし)、あるいはあなたに罪悪感を抱かせるような言葉や態度を真正面から受けとめ、動じずにいることができたなら、あなたはいままでに経験したことのない自信に満ちた自分を体験できるだろう。

(中略)

“対決”は「自立への道」の最終段階だ。その最中にどのようなことが起きたとしても、あなたは敗北者にはならない。なぜなら、あなたには“対決”する勇気があったという事実があるからである。

たとえ親が自分の非を認めなくても、たとえあなたが言いたいことを全部言えなかったとしても、たとえあなたが自己防衛的になってしまったとしても、あるいはつい感情的になって言い訳をしてしまったとしても、たとえ親が怒って部屋から出ていってしまったとしても、とにかくあなたはやったのだ。

あなたは真実を親に、そして自分に対して語ったのである。

それは、いままであなたを縛りつけていた「恐れ」が、もはやあなたをコントロールすることがなくなったということの証しなのだ。

(「毒になる親」より引用。読みやすさのため、改行のみ追加しています。)

この引用文を、私の言葉で言い直すとこうなります。

「この対決は、親に分かってもらうことが目的なのではない。

親に自分が傷ついたことを語り、それを聞く親を見て、自分自身が冷静でいられたらそれで成功なのだ。

もう自分は、子どもではない。子どもだった頃の自分より強くなった自分を実感できればそれで成功だ」

「毒になる親」を読みながら、既に気持ちは固まっていました。

親に、気持ちを伝える。

音楽の道を、高校進学の段階から強制されたことへの怒りが消えないこと。

やっぱり音楽高校受験は辞めて、普通高校に行きたいと、勇気を出して言った時(中学は私立の中高一貫校だったので、そのまま進学することは難しくありませんでした)。

その時、母が精神的に錯乱したこと。演技だったのかもしれませんが。

「このままではお母さんが壊れてしまう。お母さんが壊れるくらいなら、音楽高校に行こう。まあ、なんとかなるだろう」

この「まあ、なんとかなるだろう」を、何度も、何度も、どれだけ悔いたことか。

そしてその判断基準が「私が普通高校に進学したら、お母さんが壊れてしまう」

だったことを、どれほど強く後悔したことか。

音楽高校では音楽しか勉強できず、一般の教科は全く教える気がない。

中学では勉強はできる方だったのに…!!!

何度も何度も悔いて、でも受け入れるしかない、そして高校では心を許して話せる友達はできず、

話を聞いて、曲りなりにも分かってくれるのは母親しかいない…!!!

(父は分かってくれていたのかもしれませんが、何の解決策もなかったので黙っていたのかもしれません。)

どこにも行き場がない怒りを、高校生の頃からずっと抱えていたこと。

統合失調症で強制入院に至り、見る影もないほど落ちぶれてしまったこと。

中学の時は勉強ができて、数学では「そめやさんに教えてほしい!!」と同級生から頼られたほどだったのに。

小論文を書くのが大好きで、考えをまとめて表現する楽しさを知っていたのに。

なんだかすごく不遜な書き方をしていますが、音楽高校で寮生活に閉じ込められ、全く価値観の合わない人たちの中で暮らす圧迫感、ストレスというのは本当にとんでもないレベルでした。

心の中に「周りの人に話すことのできない思い」をためこんでいくと、

比例するかのようにプライドが強大になっていきました。

でもそのプライドはアッという間に瓦解してしまった。

その頃の出来事は、「統合失調症を発病するまで」カテゴリにできるだけ詳しく書いています。

今でも忘れることのできないこの思い。

それを、母親に伝えると決めたのです。

「毒になる親」では

理想は対面で話すことだとしながらも

手紙を書くという方法も書かれていました。

当初、私は手紙を書こうと思いました。

対面で話すと、母親のペースに巻き込まれる恐れがありますし、

まとまった文章を手紙にしたためた方が、きっちりと言いたいことがすべて伝えられると思ったからです。

私は相手の言葉をさえぎったりかぶせたりしてまで話すのは不得意です。

でも母はさえぎったりかぶせたりして自分の言いたいことに強制的に誘導していくのは常套手段なので、私の言いたいことは一切伝わらないのです。日ごろから、いつも。

しかし、結局手紙ではなく、対面で伝えることになりました。

正直不本意だったのですが…。

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